インフルエンザワクチンの効果や最適な接種時期、持続期間などを北九州市・小倉のhaloクリニック医師が解説!
もくじ
今年は夏の終わり頃から、インフルエンザが流行していますが、皆さんはインフルエンザの予防接種はしましたか?
インフルエンザワクチンはインフルエンザに対して約60%の発症予防効果があり※、重症化を防ぐ効果も報告されています。
厚生労働省は手洗いや湿度のコントロールなどともに、ワクチン接種を推奨しています。
この記事ではインフルエンザの予防接種の効果や持続時間、いつ接種をしたらいいかなどを中心に、haloクリニック小倉の院長 大渕医師が解説していきます。
※平成28年度 厚生労働行政推進調査事業費補助金(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業「ワクチンの有効性・安全性評価とVPD(vaccine preventable diseases)対策への適用に関する分析疫学研究(研究代表者:廣田良夫(保健医療経営大学))」
インフルエンザワクチンはどのように効果を発揮するの?
インフルエンザワクチンは、インフルエンザのウイルスがそのまま入っているわけではなく、不活化と呼ばれる感染力などを無くした毒のないインフルエンザウイルスの一部を体中に入れることで抗体を作り、インフルエンザウイルスが体に入ってきたときに免疫の防御機能が働いてインフルエンザをやっつける免疫反応を狙ったものです。
インフルエンザワクチンを接種しない方がいい人はいますか?
過去にインフルエンザワクチンを接種し、アナフィラキシーと呼ばれる強いアレルギー反応を起こした人やひどく熱が出た方は止めた方がいいですね。また製作の過程で卵を使っておりますので、卵に強いアレルギーを持つ方も接種をしない方がいいと思いますが、近年卵を製造過程で使用していないワクチンもありますので、卵アレルギーの方は卵を製造過程で使っているかどうかを確認して接種を決めることをお勧めします。それから薬全般でアレルギーが出る方も中にはいらっしゃるので、そういう方は慎重に接種されるといいと思います。
インフルエンザワクチン接種に最適な時期はいつでしょうか?
例年感染が拡がり始めるのは空気の乾燥してくる11月下旬~12月頃です。ただ、ワクチンを接種しても抗体ができるまで約10日~2週間ぐらいかかります。例年A型のピークは1月下旬頃、B型が2月ぐらいから流行り始めるので、最適な接種時期は10月下旬~11月中旬頃がいいと思います。
子供と高齢者の方接種の重要性を教えてください。
子供と高齢者の方は重症化しやすいので接種してほしいと思います。重症化して急性脳症や肺炎になり、亡くなる方は毎年一定数いらっしゃいます。ですから、重症化を抑えるためにはぜひワクチンは接種していただきたいと思います。
インフルエンザワクチンの一般的な副作用には何がありますか?
一般的な副作用は、注射した部分が赤くなったり腫れたり、かゆくなることが一番多いかと思います。人によっては少し発熱したり倦怠感が出たりする場合もあります。ただし皮膚の反応は数日、発熱は1日2日で大体治まっていきますので、今までの経験上ひどい副作用がない限りはインフルエンザになるよりはいいと思いますので、ぜひ接種していただきたいと思います。
またコロナウイルス感染症で皆さんよくその名前を耳にしたかと思いますが、これらの症状は副作用ではなく「副反応」です。
持病を持つ人はワクチン接種にあたって何か特別な注意が必要ですか?
持病を持つ方は免疫的に弱くインフルエンザに感染しやすかったり、感染した場合、重症化しやすいことが多いと思うので、そういう方ほど接種いただいた方がいいですが、接種に当たっては病気でかかりつけの医師にインフルエンザワクチンの接種可否と接種時期などをきちんと確認してください。
妊娠中はインフルエンザワクチンを接種しても安全ですか?
妊娠中にインフルエンザにかかっても薬が服用できません。もともとインフルエンザワクチンに対してアレルギーを持っていなければ、妊娠中はかえって接種した方が妊娠中にインフルエンザにかかるよりはいいと言われています。
産婦人科のかかりつけの先生に確認の上、接種いただく方向で考えていただきたいと思います。
メッセージ
haloクリニック小倉でもインフルエンザワクチン接種を行っています。特に予約はなくとも、在庫があればその場で受けますが、お電話いただいて接種を希望される日にに在庫があることを確認された方がいいと思います。ネットやお電話で予約しておいていただければ安心です。
当院の発熱外来にもたくさんのインフルエンザ陽性の方が出ております。コロナ流行期にみんなマスクで感染対策を徹底していたので、インフルエンザやちょっとした風邪にも免疫がなくなっています。ぜひまだ接種していない方はもう遅いと思わずに1日でもお早めに接種をしてください。