更年期はいつから始まる?症状や治療方法、漢方について医師が詳しく説明!
40代になると「疲れやすい」「顔が火照る」「気分に波がある」といった症状から、更年期障害を疑う方もいらっしゃるのではないでしょうか。更年期障害は女性ホルモンの減少によって起こるものです。
この記事では、更年期障害の症状や原因、漢方や女性ホルモン治療療法などの各種治療方法について、haloクリニック小倉の院長 大渕医師が解説していきます。
北九州市・小倉エリアにて、更年期でお困りの方は、ぜひhaloクリニック小倉の女性内科へご相談くださいね!
更年期障害とは?どのような症状がある?
更年期障害は女性の閉経に伴い中年期(40歳~64歳)に経験する一連の身体的および心理的な変化を指します。主な症状はホットフラッシュと呼ばれる顔の火照りや発汗、動悸、むくみ、不眠、倦怠感、気分の変動、性欲の減退があります。また、骨密度の低下や心血管系の問題も発現してきます。
症状は個人差が大きく、わずかな症状だけの方と数年間にわたり重い症状に悩まされる方もいらっしゃいます。
更年期障害を発症する時期は?
閉経を挟み前後5年、全体で10年間くらいです。
更年期障害の原因
更年期障害は女性の閉経に伴い卵巣機能が低下して女性ホルモンが減少することで、エストロゲンが欠乏し引き起こされます。閉経は卵巣の活動が次第に消失し、月経が停止した状態が約1年以上続いた際に閉経と判断されます。
更年期の間、女性の体はこの新しいホルモン状態に適応しようとしますが、その過程で多くの不快な症状が発生することがあります。これらの症状は、一般的には自然に終息しますが、一部の女性にはより長期間にわたることもがあります。
更年期障害の原因としては、遺伝的要因や生活習慣も影響を及ぼす可能性があります。喫煙、不健康な食生活、運動不足などが更年期障害のリスクを高めるとされています。
更年期障害の治療方法について
更年期障害は女性ホルモンの低下を補うために、ホルモンを補充する「ホルモン補充療法」を行います。又は、スタートラインとして「漢方」を処方することもあります。それから、薬による治療もあります。
また、生活習慣病などと同様に規則正しい生活をする、運動や気分転換をしてストレスを発散するといった生活の中での治療を行います。
更年期障害における漢方治療
haloクリニックの女性内科では、その方の症状を聞いてスタートラインとして「漢方薬」から始めます。漢方は身体のバランスを整え、自然治癒力を高めることに焦点を当てています。更年期の症状は、体内の「気」「血」「陰」「陽」のバランスの乱れと見なされ、それぞれの症状や体質に合わせた漢方薬を処方します。
例えば体型や便秘症なのかお腹は緩い方なのか、冷えやむくみが気になるのか、ホットフラッシュの症状、気持ちが落ち込むのかイライラするのかなど、様々な症状を伺いその方の体質や症状に合った漢方を選んでいくようにしています。
更年期障害における女性ホルモン補充療法
女性ホルモン補充療法は内服薬や小さな貼り薬があります。私は貼り薬での女性ホルモン補充療法を長年続けています。色々な勉強会や講習会に出ますと、貼り薬のホルモン補充療法の方が皮膚から吸収されていきますので、卵巣からホルモンが分泌されているのと近い状態で体に効きやすいことが分かっております。飲み薬は消化吸収を経て身体の中に入っていきますので、どうしても消化吸収の仕方により作用が異なっていきます。
貼り薬の方がホルモンの量としては少ないですが十分に有効な量が吸収されるということが分かっているため、私は貼り薬でホルモン補充療法をしております。
ホットフラッシュには漢方薬も色々ありますが、ホルモン補充療法をすると前はホットフラッシュで眠れなかった方もぐっすり眠るようになったというお声をいただきます。貼り薬では効果を感じないと言われる方には、当院婦人科を受診していただて内服薬の切り替えの相談をしていただくようにしています。
メッセージ
日本人女性の平均閉経年齢が50歳から52歳と言われていますが、その時期は女性ホルモンの低下だけではなく、ライフステージの変化も起こる方が多いです。例えばお子様が成長し夫婦二人の生活になったり、親御さんの介護が始まったり、仕事で社会的立場が高くなりストレスを抱えるなど、さまざまな生活の変化ですね。
そのようにホルモンの変化だけでなく社会的変化もストレスになり、閉経期を迎えていらっしゃる方の中には、大きな負の流れに飲み込まれてしまう方もいらっしゃいます。月経の変化と共に「私はどうしたのかしら?」「何だかおかしいわ」と思った時には一度受診していただきご相談いただけたらと思います。
女性ホルモン補充療法は何となく怖いと思われる方もいらっしゃいます。スタートラインから女性ホルモン補充療法をするわけではなく、まずは漢方薬や不眠症状なら依存性がないと言われている睡眠薬などの症状に合わせたお薬も処方しています。様々な治療法で完全に治るということはないにしても、30%でも症状が改善されれば生活の質は上がると思うので、そういうところを一緒に目指していきたいと思っております。